新しい曲を公開しました。

ノエシス / 重音テトSV

冬に出すつもりだった

この曲は、冬に公開しようと思って去年の秋くらいから作っていました。

ただ、そのままハードディスクの肥やしになっていて、冬が終わり、春が過ぎ、夏まで終わりそうになっていました。

季節が三つ回ったところで、ようやく公開しました。

そろそろ秋なので、冬の曲を出す時期としては少し早いくらいまで戻ってきています。

冬の午後、ふたりで歩いた日の話です。

ただ隣を歩いていた時間

霜柱を踏む音がして、ふたりの影が道に伸びている。

何気ない会話をしながら歩いているけれど、相手の横顔を見ていて話の続きを聞きそびれる。

そんな、少し浮かれている側から見た時間を書きました。

そのときは、特別な一日だとは思っていなかった気がします。

どこかへ出かけたわけでも、大きな出来事があったわけでもない。

それでも、この日を昨日までと同じところへしまいたくないと思っている。

冬の午後にふたりで歩いていた、それだけの一日です。

返事の代わりに残ったもの

一緒に歩いているうちに、「僕といても退屈じゃない?」と聞いてしまいます。

聞いた直後に、言わなければよかったと思うような言葉です。

返事を待っていたはずなのに、振り向いた相手の仕草と笑い方を見て、それだけでもうよくなる。

言葉で確かめたい気持ちはあるけれど、言葉にされなかったからこそ残るものもある、という場面になっています。

あとになって残る記憶

そういう何でもなかった日の方が、あとになって不思議なくらい鮮明に残ることがあります。

交わした言葉よりも、歩いていた道や白い息、霜柱を踏んだ音を覚えている。

もう同じ時間には戻れなくても、その日の記憶だけは残っている。

風は冷たかったはずなのに、隣を歩いていた時間は寒くなかった。

そんな冬の記憶のひとつを曲にしました。

よければ聴いてみてください。